地上デジタル放送について、少しづつ勉強しています。資料は参考書にネットです。理解しにくく、イメージ
出来ない事柄ばかりですが、知り得た事についてまとめて行きたいと考えています。
こじつけながらの勉強ですので、誤って解釈している事柄もあると思います。そのつもりで読んで頂けたら
と思います。表面だけの知識ですので、後は書物を購入したりネットで調べたりして深めてください。
放送方式と伝送方式
放送方式 : ISDB−T方式 (日本の方式)
伝送方式 : OFDM方式 (直交周波数分割多重)
全てデジタル信号
アナログ放送の時代は、放送局が収録した映像、音声の信号はアナログ値であり、オシロスコープで波形 を見る事が出来ました。 電波に乗せられて、受信機で検波した後も映像信号として認識できました。
アナログ映像信号のオシロスコープ波形(1フィールド)
デジタル放送では、これらを全てデジタルデーター(0と1の符号)として取扱います。
BSデジタル放送、地上デジタル放送、DVDなどの記録メディアに利用されている動画の圧縮方式はMPEG−2
(スタジオ企画の伝送速度1Gbpsを約1/50に圧縮)です。
MPEG−2システム
符号化された映像、音声、付随データーを多重化して一本のデーターストリームにする方式の事で以下の2種類
の方式があります。
MPEG−2PS(Program Stream)
映像、音声を一本のプログラムに多重化する事で、DVDが主な対象となります。
映像・音声のデーターストリーム(ES)を都合の良い長さのかたまりにしたPESパケットを並べた信号列。
ES : Elemenntary Stream
PES : Packetized Elemenntary Stream
MPEG−2TS(Transport Stream)
複数のプログラムを一本のストリームに多重化する事で、デジタル放送に適している。
PESパケットをTSパケット(188バイト)に分割して並べた信号列で誤りが発生しやすい環境で使う。
ブルーレイディスクやHDDにそのままの画質で記録します。
複数のプログラム : 番組連動データ放送、ワンセグ放送、編成チャンネル
受信機の大まかなブロック図
ES : Elementary Stream
PSI : 後述するPMT、PAT、NIT、CATの事。
SI : PSIの補完、電子番組表(EPG)作成等の情報。
2011年7月号CQ出版トランジスタ技術の解説
最新のテレビは、TSから最終デジタル出力まで、1チップのICで実現できています。
スケーラ : 解像度変換で、地デジの1440ドット×1080ドットを1920ドット×1080ドットに変換。
(フルスペックの液晶パネルの画素数は、1980×1080)
LVDS : 高速デジタル信号を差動小振幅信号でケーブル伝送します。
(Low Voitage Differential Signaling)
番組データーはパケット化
ごく簡単な説明ですが、デジタル放送では、映像、音声、データー放送、制御信号等のデジタルデーターは、一定の長さに分割された(188バイト)パケット
が連続したTS(MPEG−2TS)として送られてきます。
それぞれのパケットのヘッダー部分には、何のパケットかを識別する為のIDが記載されています。これをPIDといいます。
実際には、大変複雑で私には理解出来かねますが、映像、音声、データー放送等のパケットが連続した
TSになります。映像とか音声とかのパケットを抽出制御用のパケット(後で述べるPMT、PAT)及び、選局をする為のパケット
(NIT)もTSの中に混じります。
TSとは、それらのパケットが連続したものです。
TS : Transport Stream
編成チャンネル
デジタル放送を選局すれば、3桁のチャンネル表示が画面に現れます。リモコンで1のボタンを押しますと「011」
と表示されます。この3桁目が編成チャンネルになります。上2桁は放送局に割り当てられた番号です。
デジタル放送では一つのチャンネルで、高画質放送(HD)は1番組、標準画質(SD)は同時に
3番組送れます。3番組同時に放送されている場合、チャンネルの順送り、逆送りボタンで選局できます。
「011」→「012」→「013」という具合に。
電子番組表で確認することができます(リモコンに番組表のボタンがあります)。
パケットの抽出
リモコン等で選局されたTSは、映像、音声、制御信号等のパケットの連続です。それらのパケットには
それらを識別する為のID(PID)が付加されています(パケットのヘッダー部に)。
映像、音声等のPIDを捜し出すのに必要なパケット(PMT)が一定周期(番組の途中からテレビをスイッチオンする場合もある為)でTSに挿入されています
。同一チャンネルに複数の編成チャンネルが存在する場合、PMTは編成チャンネルごとに
挿入されています。
PMTを捜し出す為のPATというパケットも、一定周期で挿入
されます。RMT、PATのパケットにもそれらを識別するPIDが付加されています。PATのPIDは「0X0000」に
決められていますので、容易に見つけられるようになっています。
TSの中からまず、PAT(RMTのPIDが記述されている)を探し出す事により、RMTを見つける
事が出来ます。RMTには、映像、音声のPIDが記述されていますので、映像、音声のパケットを抽出
する事ができます。
このようにして、映像とか音声とかのコンポーネントを抽出できる様にしています。
PMT:Program Map Table (映像、音声のパケットを指定)
PAT:Program Association Table (PMTを指定)
選局動作
前節で、PMTとPATに触れました。
デジタル放送では、NITというパケットも伝送されます。NITには、ネットワークID、TS−ID、リモコンキーID、
放送サービスを識別するサービスID、ネットワーク(個々の地上デジタル放送)の名称、物理周波数等の情報が記載されています。
設置時に13チャンネルから順番にサーチを行い、受信できるチャンネルを登録していきますが、これらは各放送局
から送られるNITの情報を取得しています。
リモコンキーID(リモコン番号)は放送事業者間で予め決められています。例えば大阪の場合、NHK総合は
1チャンネル(011)、MBSテレビは4チャンネル(041)です。
観たいチャンネルのリモコン番号を押すと、受信機は登録されたリモコンキーIDのサービスIDを探し出して希望のチャンネル
が選局されます。
地域によっては、同じリモコン番号で他県の放送が受信できる事があり、リモコン番号が重複してしまいます。
このような場合、受信機は枝番号をつけます。県域内の放送には[0]、県域外の放送には[1〜9]の枝番号を付けます。
大阪局のNHK総合は[011−0]で、京都局のNHK総合も受信できる場合は、空きチャンネルに[011−1]が登録されます。
NITも個有のPID「 0X0010」が割り当てられており、PATに記載されています。
固有のPIDを持つCATという、有料放送の為のパケットもありますが、ここでは省略させて
頂きます。
NIT : Network Infomation Table
ネットワークID : 所属しているネットワークを示す。
TS−ID : 放送波の所属先を示す。(地デジでは、ネットワークIDと同一)
ネットワーク : BS放送ではBS放送全体、地上デジタル放送では個々の放送局。
参考サイト : 株式会社ブライトシステム
階層伝送
携帯電話等のワンセグ放送と各家庭で観られているハイビジョン放送は異なる階層で同時に送られています。
地上デジタル放送では、さまざまな環境に適する様、モード1、モード2、モード3のモードが用意されていますが、1セグ、
ハイビジョンともモード3が使用されています。
地上デジタル放送では、5,617のキャリアを13のセグメントに分けて放送されています。
デジタルの変調方式、誤り訂正の方法等(伝送パラメーターという)をセグメントごとに変えることによって、一つのセグメントで
ワンセグ放送を、残り12のセグメントでハイビジョン番組を放送しています。
固定受信(12セグ)の変調方式は、[64QAM]で所要C/Nは[21]以上が必要。
携帯受信(ワンセグ)の変調方式は、[QPSK]で所要C/Nは[8]以上で良い。但し、両方とも
マルチパス妨害がない場合。
固定受信用と携帯受信用の2つの階層で放送され、ワンセグは悪い条件でも受信しやすい階層で
放送されています。階層について詳しくは、このサイトを参照下さい。
最大、3つの階層を同時に放送できます。後で説明する5,617のキャリア(搬送波)を13のセグメント
に分ける事により、各セグメントを階層別の放送に適したパラメーターで放送されています。
現在は、モード3のパラメーターでワンセグと12セグの二つの階層で放送されています。
ハイビジョン放送 | ワンセグ放送 | |
モード | モード3 | |
全帯域幅 | 5.572MHz | |
キャリア間隔 | 0.992KHz | |
キャリア総数 | 5617 | |
有効シンボル長 | 1.008ms | |
ガード・インターバル比 | 1/8 | |
ガード・インターバル長 | 126μs | |
セグメント数 | 12 | 1 |
セグメント帯域幅 | 428.57KHz X 12 | 428.57KHz |
キャリア数 | 432 X 12 + 1 | 432 |
キャリア変調方式 | 64QAM | QPSK |
内符号の符号化率 | 3/4 | 2/3 |
時間インターリーブ長 | 約215ms | 約430ms |
外符号 | (204、188)リード・ソロモン符号 | |
情報レート | 16.851Mbps | 0.416Mbps |
内符号 : 畳込み符号のこと、受信側でビタビ復号によりエラー訂正を行う。
外符号 : 受信側でリード・ソロモン復号によりエラー訂正を確実に行う。
2008年3月CQ出版RFワールドNo.1より引用
マルチキャリア(直交周波数分割多重)方式
地上デジタル放送の真髄です。
一連のデータ(TS)を4,992本の搬送波(キャリア)に分けて伝送します。複数の搬送波に分けないシングルキャリア方式の場合は、データ
(シンボル)を一本の搬送波に詰め込みますが、複数の搬送波に振分ける事により1シンボルを送る時間(シンボル長)を遅くする
事ができます(4,992倍に)。その分妨害に強くなります。
下の図でイメージしにくいかも知れませんが、データを多数の搬送波に振り分け、並列に伝送している様子です。一つのシンボル長も
長くなっています。
シングルキャリアとマルチキャリアのイメージ図
2008年11月号のトランジスタ技術よりの図
1つのチャンネルの帯域幅 : 6MHz
1つのセグメントの帯域幅は : 428.57KHz (6000÷14)
放送に使われる帯域幅(13セグメント) : 5.572MHz (428.57×13)
キャリア(搬送波)総数 : 5,617
データ・キャリア数 : 4,992(データの載っている搬送波)
キャリア間隔 : 0.992KHz (5572÷5617)
有効シンボル長(キャリア間隔の逆数) : 1.008ms (1÷992)(一つのシンボルを送る時間)
5,617の各搬送波(サブキャリア)の周波数、シンボル長の選び方で搬送波どうしの干渉が起こらない
様になるそうです。このように搬送波が互いに干渉しない関係にある事を直交していると言うそうです。
シンボル長を“1/キャリア周波数間隔”に選ぶと搬送波間の相互干渉がないという事です。
地デジのデジタル変調
デジタル変調は、符号の位相と振幅で、キャリア(搬送波)を変調します。
下の図は、地上波デジタル放送のワンセグ(QPSK)とハイビジョン(64QAM)の各キャリアに割り当てられるデータ(符号)
を変調方式に合わせてシンボル座標に変換したものです(マッピングと言います)。
PSK変調 : 符号で搬送波の位相を変化させる。
QAM変調 : 符号で搬送波の位相と振幅の両方を変化させる。
符号 : シンボルとも言います。
上の図より、PSK変調は搬送波の位相だけの変化で、QAM変調では位相と振幅の両方が変化しています。
個々の符号はI軸(同相軸)のレベルとQ軸(直交軸)のレベルの合成です。
QPSK変調は、2ビットの符号で搬送波を(位相の変化で)4種類の組み合わせがあります。64QAMでは6ビットの符号で搬送波の組み合わせが64種類
になります(振幅と位相の変化で)。
(26=64であり、6ビットで64通りの組み合わせが出来ます。)
下の図の説明
OFDM変調の回路構成をQPSKの変調方式で説明したものです。
n本のキャリア(f1〜fn)に割り当てられる2ビットずつのシリアルデーターはパラレルに変換され、シンボル座標にマッピングされます。そしてキャリア周波数f1からfnまでのn本
のキャリアのベクトル情報をデジタル信号処理のIFFT(逆フーリエ変換)によって時間軸上の情報に変換されます。
そして、D/A変換を経て直交変調されてOFDM波になります。
マッピング : ビット情報をI軸とQ軸の電圧量に変換(ベクトル情報)。
2008年11月号のトランジスタ技術よりの図
参考書では、5,617本の搬送波を使用しますが、搬送波ごとに発信機を用意する必要は無く、1個の「逆フーリエ変換用LSI」
により、一挙にOFDM信号が生成できると表現されています。
IFFTとは、デジタル処理で周波数軸表示から時間軸表示に変換する事です。FFTはその逆です。
具体例として、スペクトラムアナライザーは周波数軸表示で、オシロスコープが時間軸表示です。
オシロスコープで表示される複雑な波形は、いろいろな正弦波を合成したものです。その波形はスペクトラムアナライザーで周波数成分を解析
することができます。難しい数式はハードルが高過ぎますが、私なりにこの様に解釈しています。
逆高速フーリエ変換 : IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)
コンスタレーション : 星座という意味
ガードインターバル
地上デジタル放送は、マルチパスに強いという特徴があります。この為大きな役目を果たしているのが、ガードインターバルです。
マルチパスは、アナログ放送では、ゴーストとなって画面に現れ、デジタル放送では「0」と「1」の判別
の妨げになります。
シンボル長の後の部分126μsをコピーしてシンボル長の前にガードインターバルとして付加して伝送し、
受信側で、シンボル長分を切り取ります。
反射波Aの遅延時間はaで、ガードインターバル内(図の黄色の部分より短い)。
反射波Bの遅延時間はbで、ガードインターバル外(図の黄色の部分より長い)。
受信電波は、基本波と反射波の合成になり、遅延時間がガードインターバル内であれば、ガードインターバル
のaの期間が一つ前のシンボル(シンボルN−1)と重なり、乱れますがその部分は受信側で切り捨てになり、影響を受けません。
遅延時間が、ガードインターバルの期間より長い場合(ガードインターバル外)、切り取ったシンボル長が
一つ前のシンボルの影響を受け、正しく復調できません。
厳密には、ガードインターバル内の反射波でも、全期間に渡り影響を受けますが、ガードインターバル内であれば
影響分はキャンセル
出来るそうです。
ガードインターバル比 : 1/8
ガードインターバル長 : 126 μs (1,008μs÷8)
誤り訂正
電波の伝送経路においては、さまざまな電波障害が存在します。
デジタル放送においては、これ等の障害により、1と0のデータが正しく伝送されなくなり、誤り訂正の仕組みがどうしても必要です。
二重符号化の図(CQ出版地デジ受信器の仕組みを参考)
デジタル放送では、内符号と外符号の2種類の誤り訂正符号が用いられます(二重符号化)。
内符号は畳み込み符号でランダムに発生するエラーの訂正能力に優れています。
外符号はブロック符号で集中的に発生するエラーの訂正能力に優れています。
畳み込み符号
ビット列に対してエラーを訂正する手がかりを連続的に符号化(実際にはビタビ復号)。
ブロック符号
バイト単位の区切りごとに検査ビットを付加します。デジタル放送ではRS(リード・ソロモン)符号。
基礎的な原理は、ExOR(エクスクルーシブOR)です排他的論理和とも言います。
ExORは、0+0=0、1+1=0、0+1=1、1+0=1 という具合に2つの入力が異なる場合のみ1になります。
桁上がりせずに元のデータを記憶しているという性質があります。
例えば、「1101」に「0101」をExORすると「1000」になります。もう一度「0101」をExORすると「1101」に戻ります。
「1000」に元の「1101」と「0101」をExORすると「0000」になります。ならない場合は「1101」か「0101」を誤ってExOR
したことになります。
ごくごく初歩的な説明ですが、あとは他の文献等で深めてほしいと思います。
参考にした本(最後まで読んだわけではありません)
CQ出版 RFワールドNo.32 この本は難解な数式を使わないで解説をしてくれています。お勧めしたいと思います。
CQ出版 地デジ受信器のしくみ
米田出版 デジタルテレビ技術入門
インターリーブとデインターリーブ
インパルス的な大きな妨害が入っても、十分誤り訂正が出来るようにインターリーブという仕組みがあります。これは、データの順番を並べ替えて送り、
テレビ受像機で受信する時に、並び替えられたデータを元のに戻します。この元に戻す仕組みをデインターリーブと言います。
このようにして、ズバッと入った妨害が分散され、誤り訂正が可能となります。
NHK出版 知っておきたい地上デジタル放送からの図
上の図から、インターリーブがない場合は誤り訂正ができず、画面にズバッと妨害が入り、インターリーブがあると妨害が分散されて
誤り訂正ができて、ちゃんとした画像になることが理解できます。
以上は、時間インターリーブの概念ですが、周波数的にもインターリーブを行っています。地デジ放送のOFDM波はシングルキャリアでなく、マルチキャリア
方式ですので、このキャリアの順番を入れ替えることで周波数インターリーブを行っています。
伝送速度について>
1秒間に1ビットを伝送する速度が1bpsです。
考え方の説明のため、地上波デジタルの話からずれますが、
BSデジタル放送の場合のベースバンド信号(圧縮前及び復調後)のデジタルデーター量(=伝送速度)は約1Gbps程度になります。
放送電波で送られてくるハイビジョン信号は、インターレース(飛越操作)なので1秒間に30コマ、各画素を8ビットで量子化、
色に対する人間の目の感度が低いので、色信号は情報量を半分に間引く。
BSハイビジョン映像は1920X1080の画素からなり、これらの条件で計算すると。
輝度信号Yは、1920X1080X8X30=497.664Mビット
色差信号Cbは、1920X1080X1/2X8X30=248.832Mビット
色差信号Crは、1920X1080X1/2X8X30=248.832Mビット
以上、合計すると995.328Mビット(約1Gビット)となり、これらを1秒間に伝送するので約1Gbpsになります。
1Gbpsのままでは、データー量が多すぎて電波には乗せられません。
MPEG-2でデーター量を圧縮して約20Mbpsで、BSの電波に乗せる事が出来ます。
地上デジタル放送では、6Mhzの帯域制限がありますので、画素数はフルハイビジョンより少ない1440X1080になっています
(フルハイビジョンは1980X1020)。
BS放送では、1本のトランスポンダーの帯域幅は34.5Mhzです。これを48スロットに分けて、一つの放送に24スロットが割り当てられています。
1スロットあたりの伝送速度は約1.2Mbpsです。
例えば、BS-1のトランスポンダーでBS朝日とBS-TBSが放送されていて24スロットづつ使っています。
どちらも同じトランスポンダーなので中心周波数はどちらも1049480Khzになっています。
BS朝日(BS151)とBS−TBS(BS161)はどちらもBS−1で中心周波数は同じ。
ビットレートとシンボルレート
ビットレートは「bps」で表しますが、シンボルレートは1秒間に送れるシンボルの数で「sps」で表します。
デジタル変調のBPSKは1シンボルが1ビットで、QPSKは1シンボルが2ビットです。BSデジタル放送の8PSKは1シンボルが
3ビットです。
@例えば、4800「bps」の信号をQPSKで送ると2400「sps」になります。一度に2ビットを送る事が出来るので、その分信号経路も
狭くて済みます。いわゆる帯域幅を節約できます。
A変化のもっとも多い信号を0101010101・・・・、変化の全くない信号を1111111・・・とします。1「bps」の伝送速度として考えた場合、0と1
を送る周期が2秒で周波数はその逆数なのでで0.5Hzです。11111・・は0Hz(直流)で周波数の変化は0Hz〜0.5Hzで帯域幅は0.5Hz(0.5−0)になります。
この考え方から1M「bps」の帯域幅は500KHzという事になります(ビットレートは帯域幅の2倍)。
@とAから帯域幅を大きくすれば伝送速度を上げる事ができて、シンボルレートを上げれば、帯域幅を節約できる事になります。
道路の幅と車で例えると、道路の幅が広いと車がたくさん走る事ができますが、トラック1台分の道幅しかないとそのトラックに多くの
荷物を積むことになります。
地上波デジタル放送は、1放送局あたり6Mhzの帯域幅ですが、1シンボルが6ビットです。その分電波の質が要求されます(C/N が23以上)。
ちなみに、8PSKのBSデジタル放送のC/Nは、11以上です。
BPSK : Binary Phase Shift Keying(1シンボルが1ビット)
QPSK : Quadrature Phase Shift Keying(1シンボルが2ビット)
8PSK : 8 Phase Shift Keying(BSデジタル放送 1シンボルが3ビット))
64QAM : Quadrature Amplitude Modulation(地上波デジタル放送 1シンボルが6ビット))
参考文献
知っておきたい地上デジタル放送・・・・NHK出版
NHKデジタルテレビ技術教科書・・・・NHK出版
RF ワールド No.1・・・・・・・CQ出版社
参考サイト
ボクにもわかる地上デジタル
(株)サーキットデザインのホームページ
Itproのホームページ
以上の資料を参考していますが、理解できない部分がほとんどで、これからも理解を深め項目の追加
と記述の修正をしていくつもりです。
地デジ受信機のしくみ アナログから大きく変わる放送方式を理解しよう (レベルアップ・シリーズ) [ 川口英 ] 価格:2,640円 |