デジタルテレビの基本機能
2Kの地上/BS放送を視聴する為には、B−CASカードが必要で常にテレビに装着しておかなければなりません。
限定受信方式といい、放送されたコンテンツを特定の受信機のみで視聴可能とする方式です。放送コンテンツにはスクランブル
がかかっています。
(4K・8Kのテレビには、2Kにも対応した『ACASチップ』が内部に組み込まれていますのでB−CASカードはありません。)
受信した情報をB−CASカードで読み込み、B−CASカードからスクランブルを解除する鍵の信号を取り出しています。
一般のB−CASカード(ICカード)
株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズが運営しており、カードの所有権は同社に帰します。
詳細は、B−CASカードのホームページをごらん下さい。
WOWOW及び、110度CS放送等の契約情報もこのカードに書き込まれます。
B−CASカードの目的は、著作権保護の為です。デジタル映像はコピーしても画質が劣化しません。
視聴を許された機器にB−CASカードを装着し、スクランブルを解除して視聴する事が出来ます。
スクランブルがかかっているのは、映像と音声で制御信号にはかかっていません。
デジタル対応テレビを初めて設置した際、まず最初にしなければならないのはB−CASカードの
装着と地域設定、及び地上デジタルのチャンネル設定です。(チャンネルサーチで受信可能な
地デジの電波を登録して行きます)
最低限、これだけすれば地上デジタル放送を視聴する事ができます。
性能改善の為、テレビの受信システムを制御するソフトウェアーに変更が生じた場合、電波を通じて
自動的にプログラムの書き換えが行なわれます。(サービスマンにより、個別に実施する事も出来ます。)
BSデジタル放送、地上デジタル放送で実施されます。
(自動ダウンロードを“する”に設定しておく必要があります。)
一週間先までの番組表を画面上に表示させる事ができ、視聴予約等ができます。
番組表のデータ取得は、BSと地デジでは方法が異なります。BSはBS放送視聴中に全ての
放送局のデータを取得できますが、地デジは視聴している放送局のデータしか取得できません。
地デジの場合は待機中(リモコンで電源OFFの状態)に全ての放送局のデータを取得するように
なっています。(自動取得を“する”に設定しておく必要があります。)
ブルーレイレコーダー、外付けHDDとリンクしている場合は、テレビの電子番組表から予約録画をする事も
出来ます(レコーダーとテレビは、同じメーカーどうしでリンク動作に対応している機種)。
[ 番組連動データ放送 ]
リモコンのデータ連動ボタン(d)を押すと少し時間がかかりますがデータ放送の画面が現れ、
色々なメニューが表示されます。(見ているチャンネルで、データ放送が行なわれていれば)
双方向通信で番組に参加する事もできますが、インターネット環境が必要です。
画像をクリックで拡大
[ 独立データ放送 ] (データ放送サービスのみ)
写真は、BS777チャンネル「STOCK777」の株式市況のデータ放送の画面です。
BS受信時にリモコンの「テレビ/データ」ボタンでデーター放送に切換え、チャンネル番号の
1〜12の好きな番号に登録しておけば、3桁入力で選局しなくても、一発選局出来ます。
BS910チャンネルの「ウエザーチャンネル」は2016年9月30日で終了しました。
字幕放送されている番組を視聴している時、リモコンの“字幕”のボタンを押すと、画面上にセリフとか画面
の状況が字幕で表示されます。
←音声の内容が字幕で表示されています。
IPTVとインターネットTV
最近は、インターネット網を利用した動画配信サービスの会社が多数あります。
その中でもIPTVとインターネットテレビの違いは何でしょうか。
広い意味では、IPを用いた動画配信サービスをひっくるめて
IPTVと言っている場合もあるようです。
IPTVの代表的なものにNTTぷららが運用するひかりTVがあります。
テレビでの視聴を前提としたサービスで、STB(セットトップボックス)を使ってIP網のデータを受信してテレビに接続できる信号に変換します(トランスモジュレーション方式)。
インターネットテレビとの違いは、映像データの配信にインターネットを使わないことです。NTT東西のフレッツ光ネクスト等の閉域ネットワークを使います。
インターネットを使わないので光テレビを契約する場合、フレッツ光ネクストを利用しているのが条件になります。
インターネットTVは、IPTVに対して動画配信会社のサーバーから直接インターネット網に流し、プロバイザーを経由して
ブロードバンドルーターからパソコン、スマートホン、対応テレビで視聴します。
IPTVと違い、インターネットを経由するのでどのプロバイザーと契約していても視聴できます。
上のロゴは、家電メーカー5社により出資されたアクトビラのもので2007年2月からサービスを開始しています。
インターネットによる動画配信サービスですが、対応されたテレビに直接インターネット接続します。
動画配信サービス比較ランキング!のサイトに最近の動画 配信サービスの会社が出ています。
YouTube | Netflix | Hulu | U-NEXT |
4K・8K時代
21世紀に入ってブラウン管テレビから薄型テレビに変わり、アナログ放送から、デジタルのハイビジョン放送に変わりました。
この段階で映像の美しさに感動したものでした。
2018年12月から4K・8Kのスーパーハイビジョンの本放送が始まります。以下は4Kについて調べたものです。
ACAS方式について
2Kの地上/BS放送では、有料放送の視聴制限、無料放送の著作権保護、NHKの受信機設置確認メッセージに「B−CASカード」が使われて いますが、4K/8K受信機では、受信機内部に2K地上/BS放送にも対応した「ACASチップ」が埋め込まれています。
4Kテレビの主な仕様
4Kパネル | (3840X2160画素) | 2Kの4倍の画素数 |
H・265/HEVC | (映像符号化方式) | 従来の2KはM-PEG2 |
4K/60P | (1秒間に60枚の順次走査) | 従来の2Kは30枚/Sを60枚/Sに変換 |
HDMI 2.0 | (4K/60P信号を伝送する為の規格) | 対応HDMIケーブルが必要 |
HDCP2.2 | (HDMI入力の著作権保護規格) | |
HDR規格に対応 | (明るさ情報のレンジを拡大する技術) | High Dynamic Range |
BT.2020に対応 | (色彩規格) | 色の再現範囲が広い |
UltraHDブルーレイ | (4K解像度の次世代ブルーレイに対応) | |
ハイブリッドキャスト | (テレビ放送とインターネットを融合) | NHK放送技研が開発 |
Google TV 搭載 | (ネット動画、ゲーム等のアプリ) | 豊富な映画等 |
最近の4Kテレビは4Kチューナを搭載していますが、出始めの頃に購入された4Kテレビは4Kチューナーが搭載
されていない可能性があります。この場合は別に4Kチューナが必要です。
スカパー!プレミアムサービスの4K放送
スカパー!プレミアムサービスがスカパーJSAT 124/128度のCSを用いて
4Kの放送を最初に開始しましたが、BS・CSで4Kの本放送が始まる前の2018年11月25日で終了しました(Ch.596スカパー!総合、Ch.595・Ch597スカパー!体験)。
現在はch.596で総合エンターテイメントのスカチャン1 4Kが放送されています。 受信するにはスカパー!プレミアム専用のアンテナおよび専用チューナー必要です。
4K以外の番組が多数あります。スカパー!が約80chに対し、スカパー!プレミアムは約240chです。
・Ch.596 スカチャン1 4K
参考https://www.skyperfectv.co.jp/plan/channel/premium/596
4K8K本放送の新しい方式
新しい方式とは、本放送の4K・8Kで放送される新しい方式です。
BS・東経110度CSで放送される 本放送の新しい方式については、総務省のホーム
ページ「超高精細度テレビジョン放送システム
作業班報告(概要)」に詳しく示されています。(読んでも理解できないところが大部分ですが)
スカパー!プレミアムで放送されている4K放送を高度狭帯域伝送方式というのに対し、BS・東経110度CSで放送されるのを高度
広帯域伝送方式といってます。
主なところを下記の表に示します
高度狭帯域伝送方式 | 高度広帯域伝送方式 | |
放送の種類 | 東経124/128度CS放送 | BS・東経110度CS放送 |
中継器の周波数帯域 | 27MHz | 34.5MHz |
動画符号化方式 | HEVC/H.265 | HEVC/H.265 |
音声符号化方式 | MPEG-2 AAC、MPEG-4 AAC | MPEG-4 AAC、MPEG-4 ALS |
データー伝送速度 | 最大45Mビット/秒 | 最大100Mビット/秒 |
変調方式 | 8PSK | 8PSK、16APSK、32APSK |
多重化方式 | MPEG−2TS方式 | MMT・TLV方式 |
フレーム周波数 | 60p | 60p |
符号化信号形式(Y Cb Cr) | 4:2:0 | 4:2:0 |
(Y Cb Cr) 4:2:0の意味
デジタルコンポーネント映像信号のフォーマットを表現する一般的な呼び方で標準は、4:2:2で色信号の解像度は
水平方向で輝度情報の半分。
4:2:0はさらに走査線1本おきの色信号の情報で、色信号の解像度は水平、垂直ともに輝度情報の半分になりますが
実用上は問題ないという事です。
4:4:4は色信号の情報を間引きませんが、情報量が多すぎて放送の電波には乗せられません。
4K映像の圧縮前(復調後)の伝送速度
4K映像(Y Cb Cr 4:2:0形式)、10ビット、60フレーム/S、を圧縮せずに伝送するとおよそ7.5Gbpsの伝送速度になります。
10ビット : 一つの画素の分解能が210という意味。
輝度信号に対して、色信号は水平方向、垂直方向ともに1/2に間引かれているので、1/4という事になります。次式で確認して見ます。
Y | 3840X2160X10X60=49.8X108 | (bit/s) |
Cb | 3840X2160X10X60X1/4=12.45X108 | (bit/s) |
Cr | 3840X2160X10X60X1/4=12.45X108 | (bit/s) |
Y Cb Cr を合計すると7.47X109になり、およそ7.5Gbpsになります。これで4:4:4になっても、12ビットになっても計算
できます。
HDMIケーブルで伝送する信号はHEVCで復調された非圧縮の信号なので、HDMI 2.0のハイスピードの物が必要です。
パナソニックのプレミアムHDMIケーブルは、18Gbpsの高速伝送仕様です。
https://panasonic.jp/cord/products/hdmi.html
この様に、高精細の映像になりますと、復調後は非圧縮の高速のデジタルデータになりますので信号の受け渡しも難易度が高い
ものになります。
4K8K放送の受信
下の図はDXアンテナさんのホームページからのものです。判りやすいので使わせて頂きました。
DXアンテナさんのホームページより拝借した図
民放各社とNHKの4K放送はBSの右旋円偏波ですので、現在のBS放送が問題なく受信できるシステムであれば4Kチューナー
を4Kテレビに接続すれば右旋4Kの本放送を受信する事ができますが、BS・110度CSの左旋円偏波で放送される4K放送も受信するには右・左旋円偏波
用のパラボラアンテナと3,224Mhzまで減衰の少ない分配設備が必要です。
状況によっては、分配器、同軸ケーブル等の改修工事が必要です。4K8K用としてSH(スーパーハイビジョン)マークが付いたものに、
右左旋円偏波用BS・110度CSアンテナ、ブースタ、分配器、壁端子、混合器・分派器(BS・110度CS/U・V)、直列ユニットがあります。同軸
ケーブルは、S-5CFBが必要です。
参考 : 右・左旋円偏波用(2K・4K・8K対応)アンテナ
DXアンテナ BC453S
マスプロアンテナ BC45RL
日本アンテナ 45SRL
従来の右旋円偏波用BS・110度CSアンテナよりも割高ですが、8,000円程度で手に入る様です。