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 アナログ放送がなくなっても、テレビにアナログ端子が存在しています

アナログテレビ


 東日本大震災があった年(2011年)の7月にアナログ波が停止され、その後は地デジ対応の薄型テレビに取って代りました。 しかし最新のテレビにもアナログの入力端子が搭載されています。

 今更では、ありますが、アナログの映像信号(日本ではNTSC方式)についても理解しておきたいと思います。  

アナログ波が停止された瞬間の画面

アナログ1

 アナログ波停止が、実行された2011年7月24日正午の画面です。

 デジタル化は世界的な流れのようですが、惜しまれつつアナログ波が停止されました。ニュース番組等を観ていますと、映っている映像の中に まだブラウン管テレビを見かけたりします(どうされてるのかな?)。


 写真をクリックで拡大。

アナログテレビの利用

デジタルチューナーの接続
 上の写真は、アナログ波が停止され、アナログテレビに簡易型の地デジチューナーを接続したものです。時の総理大臣が 国会で答弁している様子が映っています。

 接続は、外部入力端子にピンコード(細いけど75Ωの同軸ケーブル)でNTSCのコンポジット信号を入力しています。



 

アナログ映像信号の理解の為に

NTSC信号

 アナログの映像機器が少なくなりましたが最近のテレビにもアナログの入力端子が付いています。それらは、 NTSC信号を入力します(75Ωで終端して1Vp-p)。
 デジタルテレビを勉強する場合、NTSC信号は無視はできません。

ntsc

 NTSC信号は、アナログテレビ放送で使用されているビデオ信号 方式で輝度信号、色副搬送波、水平同期信号、垂直同期信号、カラーバースト信号を1つの信号に複合したコンポジット信号 で周波数帯域6Mhzで伝送されていました。

 白黒放送時代の周波数帯域6Mhzの制限の中で輝度信号と色信号を伝送し、しかも白黒放送とのコンパチビリティも 保つようになっています。
 垂直周波数が59.94Hz、水平周波数が15,734Hzという、歯切れの悪い数字になっているのは白黒放送とのコンパチブルの為で、デジタル放送 の時代になっても引きずっています。ちなみに白黒放送時代は、垂直が60Hzで水平が15,750Hzでした。

 歯切れの悪い数字になっているのは、輝度信号と色副搬送波の相互干渉が最小になるよう、色副搬送波の周波数が3.579545MHzに選ばれています(色副搬送波周波数は水平周波数の1/2の奇数倍)。

 カラー放送が始まった頃は、白黒放送が殆どでカラー放送の番組は新聞のテレビ覧にカラーのマークがありました。

 周波数帯域6Mhzという制限の中で伝送するしくみの一部として、色信号の情報量の圧縮と飛越操作方式がありますが、今の地上波デジタル 放送(2K)でも同じです。
 帯域6MhzでNTSCの信号を送る為の根本方式は「搬送波抑圧残留側波帯方式」(説明分は省略)で、デジタル放送ではMPEG-2、MPEG-4というような デジタルデーターの圧縮です。

 地上波デジタル放送も1局あたり6Mhzという帯域制限は同じですが、デジタルデータの圧縮(MPEG-2)とビットレートの高い64QAMというデジタル変調方式で実現しています。

 NTSCの色副搬送波(3.579545Mhz)は直角2相変調されており、復調すると色差信号のR−YとB−Yが得られます。輝度信号Y とR−Y、B−YからR、G、Bを再現して映像を表示します。

 輝度信号Yは、R、G、B信号を程よく合成して作られます。
 NTSCの場合は、Y=0.3R+0.59G+0.11B になります。
 ちなみにG−Yは、R−YとB−Yから作る事が出来ます。

 デジタル放送においても、色副搬送波こそありませんが、輝度信号Yと色差信号のR−Y、B−Yの考え方は同じです。

 参考文献 : トランジスタ技術2011年7月号 別冊付録。



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アナログテレビで地デジを観る

地デジチューナー例

 アナログ波が停止された時には、それなりの需要がありました。

 初期の液晶テレビでは、今でも役に立っていることと思います。

D端子付きアナログテレビ

 2000年(シドニーオリンピックのあった年で、BSデジタル放送が始まる。)以降に発売されたAVテレビには、 たいてい、D端子(D1〜D5まである)が付いていました。
 信号としてはアナログのコンポーネント信号です。

D端子 左の写真のD端子は、D1ですがD3以上が付いていれば、テレビをモニターとして   DVDレコーダーブルーレイレコーダー を通してハイビジョン画質で見る事が出来ます。
( D端子ケーブルと音声のピンコードが必要です。)

写真をクリックで拡大。

   *:D1端子 走査線数525本(525 i)
   *:D3端子 走査線数1125本(1125 i)まで対応。

     2Kのハイビジョン放送は、1125i(飛越し走査)で放送されています。

AACS規定
 2011年になってから製造されたBDレコーダーのD端子出力の場合、「1125 i」で視聴出来、録画も出来ますが 再生は「525 i」に制限されてしまいます。
 2014年になってから、新規に出荷されるBDレコーダーの、BDビデオの再生出力は、アナログ(D端子、ピン出力)端子 から出力されません。
 新しく購入するブルーレイレコーダーには、アナログ出力(D端子を含む)がない機種もありますので購入時は注意 する必要があります
 新しい液晶テレビは、今でもD端子が存在しています。  

 

ブラウン管テレビ

 世の中からブラウン管テレビが少なくなると故障した時に 困ります。

 液晶テレビも故障しますが、基本的には基板交換で対応するのに対して、ブラウン管テレビは基板 内の回路を追いかけて、部品単品で修理をしていました。

 20年以上経過しているセットが殆どで、その機種独自のパーツの入手が出来ないのと、ブラウン管 テレビに親しんだサービスマンがいなくなっている現状にあります。思い入れの有るブラウン管テレビで あっても、修理は困難です。

 故障もなく、長年調子が良かったブラウン管テレビの場合は、内部を開く機会が少なかったため埃が 堆積し、使い続けるのはどうかと思います(埃は吸湿性があります)。

 しかし、ブラウン管は頑丈でした。液晶テレビのように物がぶつかっても簡単には割れませんでした。

デジアナ変換サービス終了

 ケーブルテレビ会社では、地上デジタル放送をアナログ放送に変換(デジアナ変換)して放送していましたが 、2015年の3月で終了されました。

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