地上波デジタル放送の受信
左は受信状態が悪く、ブロックノイズが生じている状態です。
BS放送は、お空の上から日本全体に向けて送信されますが、地上波デジタル放送の送信の基本は都道府県や地域単位です。
地域によっては、親局と複数の中継局、県域局と広域局、他府県域の電波等、複雑な電波事情が存在し、以下の説明のように、なかなか思うように受信出来ないことがあります。
地上デジタル放送を視聴する為のテレビの設定
地上波デジタル放送を受信する為には、最初に地域設定と郵便番号設定をします。
次にチャンネル設定を行いますと、テレビが受信可能な電波をサーチして、放送局から送られて来る選局に必要なデーターを順番に登録して行きます。
決められたリモコン番号にそれぞれの放送局が自動的に登録されます。
一通り、サーチが終わり設定画面から通常画面に戻して、映像を確認します。充分なレベル
で受信出来ておれば、美しい映像を見る事が出来ますが、不十分ですとブロックノイズが出たり
真っ暗な画面になったりします。
BS放送のチャンネルはあらかじめ、プリセットされていますが、地上デジタル放送の場合は
地域設定をしてから、サーチする事により、受信できる全ての放送局が登録され、放送局名も表示されます。
全国の地デジチャンネルは、マスプロ電工さんのHPが見やすいです。
チャンネル登録について
地域設定をしてチャンネル設定をスタートすると、13チャンネルから52チャンネルまで
全てをサーチして、受信出来る全てのチャンネルが登録されます。
中継局で、同じリモコン番号で、物理チャンネルが異なる同一ネットワーク(放送局)のチャンネルが存在するとC/Nまたは、
BERの良好なチャンネルが登録されます。
地域によっては、同じリモコン番号で県域外の電波を受信できる事がありますが、3桁表示の後に枝番号を
付けて登録されます。
広域の電波(東京スカイツリー、大阪生駒山 等)を受信していた地域に、新たに県域局ができた
場合、再スキャンすると県域局の枝番号が0、広域局の枝番号に1が付いて登録されます。
地域設定を間違えてスキャンしても、受信可能な電波は登録されます。リモコン番号が一致しなく
リモコン番号に登録されていなくても、チャンネル順、逆ボタンで選局できます。
デジタル放送は、テレビで受信状態を確認できます。

デジタル放送では、メニュー画面より受信レベルを表示させる事
ができます。私のアクオスLC20AX6では、メニュー画面より、[デジタル設定]の[デジタルメニュー]
−[システム設定]−[アンテナ設定]でレベルを表示させる事ができます。アクオスでは、60
以上できれいな映像で見る事ができます。テレビによって表示のさせ方が異なりますので取り扱い
説明書を確認下さい。(ブースターで信号強度を上げても、C/Nが悪いとレベル表示は小さくなります。)
MER (Modulation Error Ratio)
デジタル変調において、シンボルの座標点をI軸とQ軸の直交座標上に表したものをコンスタレーションと言います。
コンスタレーションを数値化したものがMERで、数値が大きいほど受信電波の品位が高くなり、図のようにシンボル点も一点に集中します。
高額ですが、本格的なレベルチェッカーで確認できます。
64QAMのコンスタレーション
地上波デジタル放送において正常な受信画像を得るには、23dB以上のMERが必要です。
電波の品位を表すのにC/Nもありますが、ほぼC/N=MERということです。
2008年11月号のトランジスタ技術を参考にしました。
BER (Bit Error rate)
ビット誤り率といいます。
デジタル放送では、「0」と「1」で情報が伝送されます。受信側で発生する誤りの割合を示す数値
です。
例えば、10,000ビットを伝送し、その内1ビットの誤りが発生すると1x10−4と表記されます。デジタル放送では、
ビタビ復号とRS復号で連続して誤り訂正を行なっています。
地上デジタル放送では、ビット誤りがあっても誤り訂正機能により、RS復号の前で、ビット誤り率が2x10−4以下であれば、ほぼ全て
の誤りを訂正する事ができるそうです。
私の持っているレベルチェッカー(DXアンテナLCW40CU )では2E−4と表示されます。1E−5以下ならば
Goodマークが表示されます。

ビタビ復号とRS復号については、難しい理論なので、他の解説書等でお調べ下さい(私にはハードルが高すぎます)。
遅延プロファイル
山あいの地形で、山からの反射波があったり同一チャンネルの中継局の電波があったりすると
妨害を受けます。都会でも建物の影響による反射波があります。これらの距離の異なる複数の伝送経路をマルチパスと言います。
地上波デジタルの場合、遅延波が126μSの範囲内であれば、影響を受けないガードインターバルというしくみがあります。
(NHKデジタル技術教科書参照 ガードインターバル)。
左は、遅延プロファイルを表しています。直接波から126μS以内の遅延波はガードインターバル内
であり、影響を受けません。それ以上(ガードインターバル外)は影響を受けて映らない場合が
あります。
図はDXアンテナのハンディタイプのレベル計の取説から引用しています。このレベル計
でグラフ表示は望めませんが、マルチパスが存在する場合の遅延時間とDU比(7dbまで)は測定できます。
受信レベルがそこそこあるのに写らない場合は、上記のコンスタレーション、遅延プロファイルを視覚的に見ることができれば原因を探りやすいと思います。
126μSの遅延波 : 約37.8Km地点からの反射波
ハイトパターン現象
アンテナ設置時、方向の調整以外に高さの調整も必要な場合があります。アンテナに直接届く電波と地面からの反射して くる電波との干渉で、取付け高さにより電波の強さが強弱します。センチメートル単位で変化するそうです。 周波数が高い程、送信アンテナから近い程顕著だそうです。設置時、特定のチャンネルのレベル が低い場合、調整して見てはいかがでしょうか。
レベルチェッカーで受信電波の確認
通常、地上デジタル放送受信のUHFアンテナは送信所の方向に向けて設置すると、ほぼ全チャンネルが受信できますが、弱電界地域では
特定のチャンネルが受信困難であったりすることもあります。特異な電波事情の地域もあり、苦労されている販売店様もあると思います。
そんな時に約に立つのが、レベルチェッカーです。受信困難な原因を調べることが出来ます。そして、衛生放送のパラボラアンテナを設置する際、
設置方向を決めるのに必要です。
設置した後、受信レベル以外の電波の品位も視覚で確認することができます。
UHFアンテナ
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14素子 マスプロ電工 U146 動作利得8〜12.4dB 水平・垂直偏波対応 | ch.13〜52 税込価格¥9,361 |
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20素子 マスプロ電工 U206 動作利得8.5〜13.7dB 水平・垂直偏波対応 | ch.13〜52 税込価格¥11,440 |
上の写真はマスプロ電工さんのHPから拝借させて頂きました。
U・U混合器
大阪地区の場合、生駒山からの電波と神戸から(サンTV) の電波を受信する為、生駒山と神戸の方向に2本のアンテナを設置し、U・U混合器に接続してブースターに導きます。
ブースター(増幅器)
写真は屋外型のブースターで、電源は、屋内からアンテナケーブルを通じて供給します。アンテナ直下の電波の質の良いところに
設置します。(分配器の前に設置します。)
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| GC35S | UHF帯 パス ・ BS/CS 増幅 | |
| GCU433D1S | UHF帯 増幅 ・ BS/CS 増幅 |
参考:DXアンテナのカタログより。
サムネイルをクリックするとSHマークが確認されます。
分配器
密閉タイプ(妨害に強い)の分配器で、F接栓で接続します。写真の出力1の
端子(中央)が電流通過になっており、アンテナ直下のブースターにこの端子を通じて電源を供給します。(挿入損失が生じ、分配数が多いほど大です。)
F接栓
ケーブルの接続は、F接栓が理想です。F接栓タイプの部材を用いた方が無難(割高ですが)
です。
F接栓用の部材には、必要数付属しているのが普通ですが、予備を準備しておくと良いと思います。
壁端子
必ずしも必要ではありません。引っ張って来たケーブルの先端にF接栓を着けて、テレビに直接
接続する事もできます。
アンテナとテレビが1:1の場合ですが、雨水がケーブルを伝って入ってこない様、注意が必要です。
壁端子を設置される場合は、シールド性が高く、妨害に強いSHマーク品を使って下さい。
壁端子を交換される場合は、壁端子作業を参照して下さい。
ケーブル
BSデジタル、110度CS放送も対応できるようにケーブルは「S−5C−FB」一択です。
[ ケーブルの加工 ]
F接栓を取付ける為のケーブルの加工です。工具は、カッターナイフと電工ペンチそして
ニッパーが必要です。同軸ストリッパーという道具もあります。
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| カッター等で被服を 剥す | 編組の処理 | 芯線の絶縁物を3mm 位残して除去 |
リングを通します |
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| 先端を差込みます | 最後まで差込みます | 電工ペンチでリングをカ シメ、芯線の先をカット |
出来上がり |
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| 同軸ストリッパー です。 プロメイト E-3501 | 1アクションでの 仕上がりです。 (クリックで拡大) |
[ ケーブルの中継 ]
ケーブルの長さに不足が生じた際は、中継コネクターをを使って延長しましょう(不足が生じないのがベスト)。
ホームセンターで容易に入手出来ます。屋外で使用する時は、自己融着テープで防水処理が必要
です。
地上デジタル放送のチャンネルと中継局
大阪の受信チャンネル
| NHK総合(1) | NHK Eテレ(2) | 毎日テレビ(4) | ABCテレビ(6) |
| 24チャンネル | 13チャンネル | 16チャンネル | 15チャンネル |
| テレビ大阪(7) | 関西テレビ(8) | 読売テレビ(10) |
| 18チャンネル | 17チャンネル | 14チャンネル |
大阪近郊での話しですが、生駒山から送信される地デジの電波は13チャンネル から24チャンネルです。( )内の数字はリモコン番号です。
| サンテレビ(3) | KBS京都(5) |
| 26チャンネル | 23チャンネル |
大阪近郊では、生駒山方面に13〜24チャンネルをカバーするアンテナと神戸の摩耶山方面に26
チャンネルをカバーしているアンテナの2本必要です(サンTVを見たくなければ1本でよい)。
大阪近郊でも、河内長野市の清見台と寺元は下の表のように中継局から送信されています。(清見台は垂直偏波)
ちなみに、近畿全体の中継局は、総務省近畿総合通信局のホームページに開局済みの
地デジ中継局の資料があります。←をクリックすると一覧表がでます。
| NHK総合 | NHK Eテレ | 毎日テレビ | ABCテレビ |
| 46チャンネル | 48チャンネル | 38チャンネル | 44チャンネル |
| テレビ大阪 | 関西テレビ | 読売テレビ |
| 47チャンネル | 40チャンネル | 42チャンネル |
KBS京都は、大阪近郊では受信困難です。映ればラッキーです。
上の表は、マスプロ電工のホームページを参照しています。全国の地デジチャンネルが掲載されて
います。
ここをクリックして下さい
レベルチェッカーでアンテナ設置調整を行なう時、放送局の物理チャンネルがわからないと調整ができません。屋根の上で困ってしまいます。
地デジチャンネル周波数
地デジ移行で空いた700Mhz帯をケータイ電話やスマートフォンで使用した場合、地デジの受信に妨害が生じるおそれが
あるという事でチラシが配られていました。
700Mhz帯は物理チャンネルが50〜52Chですが、該当地域はマスプロ電工さんのホームページで調べられます。
全国の地デジチャンネル(マスプロHPより)
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チャンネルは物理チャンネルです。テレビを購入したらまず地域設定を行いますが、その時に リモコンチャンネルに物理チャンネルが割り当てられます。















